マイホームがあるなら遺言書を書け

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この記事は、マイホームを買ったのに、遺言書を書いていない人への説教です。

対象は、未成年の子供がいる夫婦と、子供がいない夫婦です。

未成年の子供がいる夫婦

「夫・妻・未成年の子2人」のモデルケース、クレヨンしんちゃんの野原家の場合。

仮に夫ひろしが死亡すると、法定相続分の割合は、妻みさえが2分の1、子供しんのすけとひまわりが4分の1ずつで、遺言書がないと、ひろし名義のマイホームは、この割合で共有名義になります。

でも、家がみさえと子供達の共有名義なのは、ちょっと不便じゃないですか?

そこで、

「家と車はみさえの名義で、子供達は現金をもらう。」

などと分配したければ、遺産分割協議を行って財産を分け合うことになります。

未成年は遺産分割協議ができない

しかし、ここで問題が生じます。

しんのすけとひまわりは未成年なので、法律上、遺産分割協議ができません

ならば、みさえが子供達の代わりに遺産分割協議をやってあげれば良いのでは?

と、思ってしまいますが、これもできません。

その理由は、みさえと子供達は、同じひろしの相続人という立場で、ある意味、遺産を取り合うライバルなので、みさえの一存で遺産分割ができてしまうと、子供達の利益を害する結果になる可能性があるからです。

もし、しんのすけとひまわりが18歳以上(成人)であれば、自分達の責任で自由に遺産分割協議を行って、遺産を分け合うことができますが、まだ幼児であるしんのすけとひまわりはこれができませんので、子供達の利益を守るために、本来の取り分である4分の1ずつを確保できるよう配慮する必要があります。

これがみさえの一存で遺産分割ができない理由です。

ちなみに、幼児じゃなく15歳くらいの理解力のある年齢だったとしても、未成年なのでやっぱりダメです。

じゃあどうすればいいの?

では具体的にどうするのかというと、

家庭裁判所に、しんのすけとひまわりの「特別代理人」を選任してもらう必要があります。そして、妻みさえと特別代理人の間で、遺産分割協議を行います。

野原家は子供が2人なので、特別代理人も2人必要です。家庭裁判所で手続きをする手間や、自分でできなければ弁護士や司法書士に依頼する費用もかかります。

りあん
りあん

こんなの、やらなくて済むならやりたくないです!!

遺言書があれば防げたのに…

もし、ひろしが遺言書を書いていれば…

遺言書に「みさえには家と車」「しんのすけとひまわりには現金を平等に※」とあれば、そのとおりに分配して終わりです。つまり、そもそも遺産分割協議というプロセスがなくなるので、「特別代理人」の心配もありません。

(※余談ですが、しんのすけとひまわりの遺留分にあたる8分の1ずつは、渡せるように配慮したほうがいいとは思います。)

とにかく用意しておくべし

遺言書には、公正証書とか、法務局保管とか、いくつか方法があるんですけど、そういうのはハードルが高くて面倒だと感じる人は、家にある便箋に手書きでいいです。手書きでタンス保管でも、無いよりは1000倍良いです。

別に1回書いたからといって、それに縛られる必要はないし、もし内容を変えたくなったら新たに書き直せばいいし、何らかの事情でやめたくなったら、破って捨てればいいだけの話です。

でも、どうせ書くなら「遺言書作成キット」を使ったほうがいいです

遺言書の書き方には決まりごとがあって、日付を書いてなかったり、押印したけど署名がなかったりすると、無効、つまりただの紙切れになる可能性があります。ちなみに本文をパソコンで印刷するのは完全にNGですのでご注意を。

(手書きの遺言書は、遺族が家庭裁判所に提出してチェックを受ける必要があり、記載ミスが発覚するのは自分の死後なので…後の祭りです。)

こういう勿体ないミスを防ぐために、「遺言書作成キット」は便利です。

↑このキットは、法務局に保管するための書式もついてます。

遺言書って自宅で保管してもいいし、法務局で保管してもらってもいいんですけど、法務局だと自分が生きてるうちに記載ミスをチェックしてもらえて、死後に家庭裁判所に提出する必要もないので、なかなか便利なシステムだなぁと思います。しかも手数料は数千円。家庭内で紛失する心配もないですしね。

子供がいない夫婦

ウチはこのパターンです。

仮に夫が死亡すると、残された妻は、義理の両親や義理の兄弟姉妹と遺産分割協議をすることになります。

いざその時…

夫亡き後の生活が不安だから遺産を多くもらいたいけど、義理の家族に「私が多めにもらいたいです」って言いづらくないですか?

話がこじれちゃって遺産分割協議がまとまらない(ハンコを押してもらえない)と、マイホームが妻と義理の家族との共有名義の状態になってしまい、こうなるともう最悪です。

そんなことにならないように、夫婦お互いに遺言書を書いておくことが大事です。

りあん
りあん

ウチは30代夫婦ですが、家を建てたのをきっかけに遺言書を書きましたよ。

まだ若いのに遺言書なんて面倒くさいし必要ないでしょって思うのはすごくわかるんですけど、少しの手間を惜しんだばかりに、万が一のことが起こった時に、配偶者を苦労させることになってしまいます…。

遺言書を書いて損することはないので、家にある便箋に手書きでもいいから、思い当たる方は、ぜひ行動してください~。

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